当講座は、平成29年2月より「地域外科医療を実践するリーダーとしての総合的な知識と技術を有した外科医の育成」を講座のミッションとして、教育・研究・臨床の各領域において活動しています。
学内そして学外の両フィールドにて教育活動を行っています。特に、当講座では、外科領域のcommon diseaseに対する診断と治療を中心として、救急外科疾患への初期対応からプライマリケアに必要な小外科的処置まで、臓器別ではなく総論的・横断的な知識が身につくような教育を行っています。
3年生・・・総合外科学講義、診療所実習(シャドウイング、総合診療・総合内科学講座との協働)
4年生・・・研究室配属指導、臓器別講座における講義
5年生・・・病棟実習における外科教育 (クリニカルクラークシップ、臓器別講座と協働) 滞在型地域医療実習(2週間、総合診療・総合内科学講座と協働)
6年生・・・マンツーマンのPBL(Problem-based learning)形式の総合外科講義(選択学生)
外来診療のシャドウィング実習
PBL形式の講義
地域中核病院と連携して、医療現場における総合的な外科臨床実習を通して地域外科医療の醍醐味を感じることを主としています。
また、臓器別外科講座と共同にて、新専門医制度に対応した「大分大学外科研修プログラム」の企画・作成を通し、外科専門医の育成を行っています。さらに、教育の一環として、主として研修医や若手外科医を対象とした外科分野のテキスト・書籍の作成を多数行っています。
総合的な外科的知識と基本的技術を持ち合わせ、地域急性期病院や地域包括ケアでのチームの一員として、全人的な診療のできる「地域医療総合外科医」の育成と「地域医療総合外科学」という新しい学問体系の確立に努めたいと考えています。
大分岡病院での学外実習
以下のような項目について、学会発表や論文化を行ってきました。
1.高齢がん患者に対する外科治療
2.大分県外科勤務医に対する意識調査①大分県地域の外科医療における病病連携や病診連携②医療改革や医学教育改革について(医学生との比較を含む)③外科勤務医のキャリアパス形成④外科医増加に向けた外科医のイメージ調査(医学生との比較を含む)⑤外科医の労働環境とやりがいに関する検討⑥外科医教育・指導に関する検討
3.大分県における救急患者搬送の実態調査
4.術後QOLを考慮した消化管再建法の開発と確立
5.大分県における外科手術の地域格差に関する検討
6.地域外科医療におけるモンスターペイシェントと医療訴訟に関する現状
今後も、大分県の地域における外科的common diseaseに対する治療の傾向調査や、大分県外科勤務医の「働き方改革」に対する意識調査など、大分県地域の外科医療の発展に向けた調査・研究を行っていきます。
大分大学消化器・小児外科学講座と共に、消化管疾患ならびに肝胆膵疾患の手術治療・病棟・外来診療、内視鏡検査・治療、および腹部救急外科治療を行っています。また、大分県の地域基幹病院においても、手術指導・協力(30~50件/年)、外来業務支援などを行っています。
当講座は、地域医療学センター(外科分野)も兼務しており、同センター(内科分野、大分県医療政策課)および臓器別外科講座と協働して、地域医療連携の促進、地域に根付いた外科医の育成、大分県の医療従事者に対する連携支援を行っています。
その活動として、以下のようなものが挙げられます。
◆高大連携セミナー・・・医療に興味をもつ高校生を対象としたセミナー
◆がんプロセミナー・・・大分大学看護学科と共催する地域住民や地域医療従事者を対象としたがんに対する知識を深めるセミナー
◆プライマリケア道場・・大分県の若手医師・医学生を対象とした症候学から学ぶ勉強会
◆大分県地域医療セミナー・・・大分県地域における医療人育成セミナー
◆大分大学地域枠卒業生のキャリアパス相談とコーテイング
◆大分県の医師増加・定着に向けた活動・レジナビ(九州の医学生に対する大分県のアピール)・おおいた医師交流会(他県の大分県出身医師への大分県Uターン支援)・大分県臨床研修医合同研修会(大分県にて勤務する研修医の大分県定着促進・大分の地域医療の明日を拓く会(大分大学地域枠学生・卒業生の集・大分県臨床研修病院見学バスツアー・大分県地域医療研修会(当センター内科分野、大分県医療政策課と共同)
これからも、地域外科医療を担う人材を育成し、大分県地域外科医療に貢献していきます。
高大連携セミナー(講義)
高大連携セミナー(体験実習)
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